今回は囲碁界における段級の考え方について紹介します。
まず、囲碁のルールを一通り学び、7路や9路などの小さな碁盤を使って終局まで打ち切ることができれば30級に相当します。囲碁の入門講座などに参加すればだいたいこのレベルに到達し、ここから昇級レースが始まると考えていいでしょう。
これ以降もあくまで目安ですが、13路盤で終局まで打ち切ることができれば25級に相当し、19路盤という一番大きなサイズで終局まで打ち切ることができるようになれば20級程度と言われています。
20級から先は、各所で行われている級位認定大会に出場し、所定の成績を収めて認定状をもらうのが一般的です。「所定の成績」は大会によって微妙に異なりますが、ここではよくある基準を紹介します。
たとえば、10級の認定がほしい場合は、囲碁大会に10級取得希望で申請し、同じくらいの棋力の人たちと通常4局打ちます。4局のうち2勝することができれば、めでたく10級の認定状をもらうことができ、そして4局中3勝すると9級(申請級+1)の認定状を、さらに4戦4勝にもなると8級(申請級+2)の認定状をもらうことができます。1勝や0勝だと認定状をもらうことができませんが、だからといって降格などはありません。
申請級は自由に決めることができますが、あまりにも実力からかけ離れていると打っていて楽しくないので注意が必要です。
埼玉県では、特定非営利活動法人「埼玉県少年少女囲碁協会」が月1ペースで県内のどこかで認定大会を開催していますし、東京では日本棋院が年に数回認定大会を実施しています。どれも参加費は1000円程度です。チャンスはたくさんあるので、どんどんトライしてみてください。
ちなみに、おおむね4級~1級を「上級者」、初段以上を「有段者」、さらに5・6段以上なら「高段者」と区別するのが一般的です。じゃあ何段まであるの?と聞かれると結構難しく、地域や組織によってバラバラです。たとえば日本棋院の最高段位は八段で、ネット碁などでは九段ですが、あまりにも強すぎて碁会所内では十段格で打っているという方もいます。
さて、以上で述べたことはすべてアマチュアの段級位であって、プロはまた別の基準があります。アマの初段とプロの初段は、同じ「初段」という表記であっても次元の異なるものです。
プロの昇段は基本的に棋戦での勝ち星の数で決まります。
初段→二段 30勝
二段→三段 +40勝
三段→四段 +50勝
四段→五段 +70勝
五段→六段 +90勝
六段→七段 +120勝
七段→八段 +150勝
八段→九段 +200勝
初段から九段に至るまでに通算750勝しなければいけません。このほかに、棋戦で優勝する、賞金ランキングで上位に入るなど、特別な成績を収めると昇段できる制度もあります。
おわりに…
段や級は数字で表されるため、早くそこに到達したいと気が急いてしまう子もいるでしょう。が、人にはそれぞれペースがあります。山登りも、早く山頂に着けばいいというものではありません。道中をゆっくり楽しみながら上を目指すことが大切だと私は感じています。(篠原)